“ヒトラーはベルリンからの電話で 諸君をスターにしてやろうと言う” 奴等は従属的に空から吊るされた 重金属の果実のように”
“英国の飛行機など炎に包まれる 君が目撃者だ、空は真っ赤に燃えて”
・・・・
「Me262」訳詞より抜粋

昔も今も不吉で邪悪なイメージを好んで用いるのがヘヴィメタ/ハードロックであるが、1974年に出されたこのアルバムのジャケには、ありがちな
悪魔や怪物や地獄などのイメージではなく、ナチの飛ばした世界初のジェット戦闘機 メッサーシュミットMe262 が描かれている。
尾翼には卍ではなくこのバンドのシンボルマークを戴き、機体に群れる5人のメンバーと猟犬、そしてよく見えないがコクピットには死神なのか?
ドクロのパイロットがおさまっている。(インナーではそれが はっきりわかる)

このアルバムの4曲目がズバリ「Me262」というタイトルだ。当所、イントロにヒトラーの演説がダブっていたが、クレームがついて早急に消去
されたのだと、昔よんだロック雑誌に書いてあったのを思いだした。今回入手したCD版にもそれは(残念ながら?)聞くことができなかった。
もしかしたら、ナチのギミックを最初に用いたロックバンドはこれが最初なのでは?とも感じてしまう。

Me262はドイツ敗戦近くになって活躍した、当時最も進んだ機構とそれゆえの卓越した速度、強力な武装を備えた恐るべき異形のメカだった。

その多くは黒く深い森の中の洞窟などで、強制収容所から駆り出した囚人たちの手で組み立てられたという事実が、まさに「オカルトな」出自を
物語っている。 かつて世界を滅ぼそうとした悪の帝国が遺した異形のメカMe262・・・・それはナチのエリート隊員の魔術儀式やヒトラー生存
説や ナチの残党が潜む南米の秘密エリアの存在、そこで開発されたUFO等々といったネタと並んでミステリアスでダークな「オカルト」性を色
濃く帯びることになり、真っ当な航空マニア以外の者たちの畏怖と好奇を集め、不吉で邪悪なサタニックアイコンとして位置づけられたのだ。

戦後29年経って 敵国アメリカのロックバンドのジャケに出現したナチの亡霊ともいえるMe262、まさに「オカルト宣言」にふさわしい姿だ。

(↑Revell製のプラモは「オカルト宣言」な時代、1970年代モノ。ヤフオクで580円で落札した。)