音盤の(本の)話2:「ディープ歌謡」 幻の名盤解放同盟著 (ペヨトル工房.1993年)
.例えば、どっかの「社長」や商店のオヤジ、スナックのママが「人生の記念に」とか、ヘンに
うかれて熱をあげ、金をはたいて出してみただけの押し付けがましいくっだらないレコード、

例えばマスコミに担がれてしまった不幸な素人さん、哀しい素人さん、おバカな素人さんの
出した(企画された)どうしょうもない痛いレコード、ヘンテコなレコード、

例えば売れずに消え去っていった無数の歌手たちが残した、冴えないがアクの強過ぎる
歌唱と その歌詞の世界が放つ特異なオーラに包まれたレコードなどなど、

ヒットとはまったく無縁であり、ふつう、それらと向き合うことなど避けるのが当然?であり
ましてや“コレ、家にあったよ”とか“昔もっていた”などとは“恥ずかしくてひとにいえない”
ような※ものばかりを蒐集網羅したモノ凄いレビュー本である。
(註:※陽に当たらなかったが実力・個性に溢れたすばらしいホンモノも僅かだが掲載されています)
これはまさに偉業・異形の書物であり、
じつにすばらしく無駄で上等な本だ!

・・・・・・・・・・・・無数の歌手たちの特濃猛臭(&妄執)でアツくて深い情念・怨念・が、
(当人らが それを自覚しているかどうかはまったくべつだが)宿った夥しいレコードの群れ。
圧巻されてしまうものだ。プレスされた音溝は彼ら(=水子や無縁仏)の魂の涅槃である

これらのレコードをじっさいに聴かなくとも、この本を眺めれば、彼らの魂に触れて何がしかの
想いに浸ってしまうことができる。供養の気持ちはとても大切なものだ。
線香を焚き、ヨウカンやラクガンをつまみながら読みたい本でもある。

病床録音、重度のリウマチ患者が
詩を朗読。