毒々ミニチュア館管理人の本棚より:『人形は死なない』あしべゆうほ/池田悦子(「悪魔の花嫁」第4巻収録)

 

 

 

 

 

小学生の頃いやいやながら通うピアノ教室にも楽しみはあった。レッスンの待ち時間マンガ読み放題であった。
当然ながら少女マンガばっかりだったのだが、そこに描かれる豪華な洋館や日本屋敷、お洒落な家具調度品や外車
に憧れた。そういう世界にはまっているということは仲間にはもちろん内緒であったのだが・・・

そんな、お気に入りのむかしの少女マンガの世界からとりわけ気になるやつをひとつとりあげてみた。
(これは1976年頃の作品と思われる。)   

「科学」を楯にオカルトや心霊をバカにする秀才少女の前にかっこいい悪魔(デイモス)が現れる。
悪魔ときいて笑いとばす少女。
「あなたが本当に悪魔なら私を不老不死にしてみてよ!」挑発をうけ少女を連れ去るかっこいい悪魔・・・

悪魔の科学施設?で「人間の発明した 科学の粋」を用い生きた姿のままの美しいミイラにされる少女。
樹脂加工されて電子部品と動力も仕込まれて永遠の命を与えられるのであった・・・
そして街に建った時計塔で定刻になるとワルツを踊る人形となって人前に姿を晒すことになるのであった・・・・・・


本物の少女の肉体を用い造られた動く人形・・・実に妖しい夢のある話ではないか・・・・

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この漫画では省かれている人体保存(標本化)の工程についてまとめてみた。ただし化学とかわからんので
いいかげんでまちがっているかもしれないが・・・

【1】:死体にホルマリン(防腐剤)を注入したりそのタンクに浸して固定(腐敗したり崩れたりするのを防止)
【2】:【1】を−25℃のアセトン(強力なシンナーみたいなの)に長期間漬け脱水する
   (例えば「シールはがし液」が手にかかるとスースーしてよく乾くが、そんな作用を拡大した仕組みなのだろうか)
【3】:【2】の処置後の死体を真空タンクに入れポンプで脱気しつつシリコンなどの液体合成樹脂を流入させる。
    アセトンの蒸気が抜けていき、かわりに液体合成樹脂が人体組織に染みこんでいき、生前と変わらぬ
    美しいミイラが誕生します。(ちょうつがい仕込んで人形にもできますね・・・・・)
                                  参考図書:「図説人体博物館」(養老孟司監修)