毒々ミニチュア館管理人の本棚より
『夢の宇宙誌〜コスモグラフィア ファンタスティカ澁澤龍彦

↓これらも魔導書だったのか!?

毒々ミニチュア館の下敷きとなった魔導書!


 (以下「玩具について」の項から引用)

 まことに面白いのは、ハプスブルグ家の代々の皇帝が、王宮内の一廓に設けていた一種の陳列室で、
 この鬼面ひとを驚かす態の博物館には、世界中から集められた、およそありとあらゆる奇妙きてれつなものが
 所狭しとばかりに並べられていたらしいのである。(中略)古代の楽器、自動人形、各種の時計、砂時計、護符、
 動物のミイラ、太古の獣のアルコール漬の奇形、植物の変態、南洋の貝殻、(中略)天球儀、甲冑(中略)
 魔法書、祈祷書、オルゴール、ピストル、髑髏、等々。

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16世紀から17世紀にかけてのヨーロッパでは王たちが、ろくに国政を顧みずに怪奇趣味に没頭し夥しい蒐集に明け暮れ
ひとを驚愕させる為に博物館の展示を競っていたという。

王のもとで科学者も魔術師も芸術家も結託し、ただ一つの目的・・王の求めるこの世ならぬ別世界=蒐集物網羅の集大成による独立した小宇宙を創造するために惜しみなく努力した。また、怪物や秘境をもとめて艦隊が大海に送り出されてもいた。
為政者としてはまったくダメな狂人・変人の王権によって、グロテスクやオカルト、あるいはミニチュアにも高位の知的価値が
与えられたすばらしい時代がかつては存在したのである。

偏奇なコレクションにただならぬ情熱を注いだ狂気の王たち。その精神の在りようにいろいろと思いを馳せてしまう・・・・。

人間はなぜモノを集めたがるのか。なぜそれを見せたがるのか。深く考えさせられ強い刺激になる秀逸なエッセーである。
「食玩」だろうが「昔のプラモ」だろうが「ミニカー」だろうが、コレクターを自認する者はこの本は必読に値する!

管理人は今から20年くらい前、学生のころにこの本をよみ、以後アタマの片隅に「コレクションとは何ぞや?」と暗黒の問い
を刻んできたからこそ、「毒々ミニチュア館」というただならぬ(?)呪術的コレクションのHPを開設できたのだ。
この本は出会うべくして出会った、たいへんにグレイトな「魔導書」だったのである!






       
       左の2冊も学生の頃に手に入れた本だが、そのころは後々自分がコレクターの側になるなど想像もしなかった
       今見返すととても感慨深い。この出会いも運命だったのか。